書評:『ナ・バ・テア None But Air』森博嗣/中公文庫

スカイ・クロラシリーズ第2作。…ではあるものの、第1作『スカイ・クロラ』はストーリー的には最終話にあたるので、本作は第1話という位置付けになる。

ナ・バ・テア (中公文庫)

ナ・バ・テア (中公文庫)

信じる神を持たず、メカニックと操縦桿を握る自分の腕だけを信じて、戦闘機乗りを職業に、戦争を日常に生きる子供たち。地上を厭い、空でしか笑えない「僕」は、飛ぶために生まれてきたんだ−大人になってしまった「僕」と、子供のまま永遠を生きる「僕」が紡ぐ物語。森博嗣の新境地、待望のシリーズ第二作!

本作の主人公が誰なのか、p.78までそれは明かされない(まぁ想像はつくだろうけれども)。
よしもとばななさんの解説を先に読んではいけない(まぁ明確にネタばれてはいないけれども)。
本作の核ともいえるエピソードはもうちょっと劇的に描かれるのかと思いきや、思いのほか淡々と。
第1作が完結編であったこともあり、本作はそこにつながる流れの始まりとして、今後の展開が色々と考えてしまうような作品に仕上がっている。