Oracle VM

日本オラクルOracle VMを発表しました。
http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1840
http://www.atmarkit.co.jp/news/200803/13/oraclevm.html
基本的に、全方面展開向けの仮想化インフラを標榜するVMwareやXenServer(Citrix), Hyper-V(Microsoft)などとは異なり、Oracle VMOracle DBを始めとするOracle製品との最適化が図られており、当然ですがOracle製品の実行が標準サポートされることになります。ユーザにとって、Oracle VMを選択することにより得られる最大のメリットはOracleによる一括サポートが受けられる点です。Oracle VM + Oracle Enterprise Linux + Oracle DBという組み合わせで使用すれば、すべてのサポートをOracleのみに一本化することができます。
Oracle DBを使用する上で何か問題が発生した場合、他社のOS、他社の仮想化レイヤー製品を使用していた場合では「どこに原因があるのか」をユーザが切り分け、Oracle DBに問題があることをはっきりさせてからサポートを依頼する必要があります。対して、Oracle VMを使用すれば、サーバ上で実行するすべてのソフトウェアはOracleにより提供されているわけですから、「どこに問題があるのか」を切り分けるという悩ましい作業からユーザは解放されることになるわけです。
Oracle VM自体は無償提供され、サポートも2CPUまでであれば62,400円。Oracle Enterprise Linux同様、OracleOracle VMで稼ぐつもりはあまりないようです。これらによって全面的にユーザをロックインし、Oracleに対して継続的にサポート費用を支払ってくれるユーザを増加させることにより、継続的な収入の増加に結びつけたいという考えなのでしょう。
Oracle VMXenをベースとしており、仮想化機能としては他社のXenとそれほど違いはありません。唯一の特徴は管理インターフェイスとしてOracleユーザであれば慣れ親しんでいるWebベースの管理インターフェイス"Oracle VM Manager"が提供されるぐらいです。Oracle製品の利用に最適化されているとはいえ、ツール自体に大きな魅力はありません。しかし、サポートという視点から見れば、Oracle VMには大きな魅力があります。
Oracleの戦略はなかなかいいところを突いており、ユーザにとっても仮想化における選択肢が増えるメリットが得られます。
Oracle VMは仮想化に対する新しい視点をもたらしてくれたということだけでも、仮想か市場に対していい影響を与えることになるのではないでしょうか。