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アルファブロガーになる→本を書く、という流れは確かにある。読者としても、自分が読み続けているBlogのオーナーが著者として本を出版することになれば、買うか買わないかは改めて判断するとしても、少なくとも手には取ってみるし、買う可能性もかなり高い。非常に購入確度の高い潜在顧客をすでに抱えているという意味で、アルファブロガーに本を書かせることはロジックとして正しい。オンラインでよくBlogを読む人ほど、オフラインで本を読む人である可能性は(私の主観的な感覚であるが)高いのではないだろうか。

今日のテーマは、なぜブログという最新のコミュニケーション・ツールを持つブロガーが、書籍という古い媒体でのコミュニケーションをはかるのか、という話である。
ブロガー側の事情としては、副収入になる(それどころか、梅田さんのようにベストセラーを書けば充分に食っていける)、ブログだけでは到達できない読者に読んでもらえる(かも知れない)、「アルファブロガーに選ばれた」と報告しても全く理解してくれない親に「うちの子が本を出すほどに出世した!」と喜んでもらえる、などのメリットがあるわけだが、実はもっと大きなメリットを受けるのは出版社側である。

http://satoshi.blogs.com/life/2008/02/post.html
出版社の側から見たメリットについてはぜひ引用した中島聡さんのBlog"Life is beautiful"を参照していただければと思うが、ブロガーの側からすると、アフィリエイトなどの間接的な収入(ほとんどの場合、メインの収入と比較するとたいした額ではない)しか産まないBlogと比較して、売れれば売れるだけ印税を見込むことができる本は収入の面で魅力的だ。さらには、本として「これまでのBlog読者以外のターゲット」にアピールすることによってBlogの読者も増え、結果としてBlogそのものは利益を生み出さなくてもそこから派生した様々な媒体や機会によって収入を増加させる可能性をさらに高めることができる。
そもそもアルファブロガーになるような人たちは、なんらかの分野で「とがって」いるわけで、書くネタも持っているわけだ。そこからさらに様々なネタを披露し、より多くの読者を惹きつけるきっかけとして本を出すことは価値がある。この流れがどこまで広がるのか、そしてどういう効果をアルファブロガー、読者などにもたらすことになるのか。出版社という旧態依然とした業界がそこに活路を見出すほどの広がりを見せるのか、注目していきたい。