書評:『日と米』(幻冬舎)『爆笑問題のニッポンの教養ー宇宙人はどこにいるのか?「惑星科学・井田茂」』(講談社)/爆笑問題

爆笑問題つながりで2冊まとめて書評。

日と米―日本史原論

日と米―日本史原論

「日本史原論」シリーズ最新刊。
しっかりと漫才として成立するネタ文として書かれた展開はさすが。「読んで楽しめる」漫才と、しっかりと多くの書籍・資料にあたった上で作られた内容はただの教養本なんかよりよっぽど楽しめて頭に入ります。爆笑問題が多くの冠番組を持てる理由は、太田光のこうした幅広い知識の裏づけと少々ダークなギャグセンスのなせる業といえるのかもしれません。通勤本として2,3日もあれば読み終えてしまう分量ですが、十分読む価値のある一冊です。NHKの放送を書籍化したシリーズ本の一冊。惑星科学という分野や、コンピュータシュミレーションによる検証は興味深い分野であったし、ゲストの井田茂さんの研究室のすっきりさも意外でよかったのだが、いかんせん、きっとテレビ放送でこのやり取りを観ていたら面白かったのだろうけど、書籍としてはいまいちだった。せっかくの専門家とのやり取りなのに、その魅力を引き出しきれていないかんじ。事前に十分に推敲された会話でもないので、爆笑問題ならではのきわどいギリギリさのブラックな突っ込みも物足りない感。この内容で760円はちょっと高いです。