書評:『教えて!はじめての妊娠・出産ー経験者が答える新マタニティライフ』オウケイウェイヴ/インプレスコミュニケーションズ(OKwave Books 2)


教えて!はじめての妊娠・出産 −経験者が答える新マタニティライフ−

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書評/

妊娠したわけでも、出産したわけでもないんですが、(そもそも私は男ですが)、直接妊娠経験者に妊娠や出産、新生児の子育てに関することを聴くのも変な話なわけで読んでみました。
合計特殊出生率が1.3以下ということで、女性でさえも妊娠・出産経験を廻りの経験者に教えてもらうことがなかなか難しい時代です。大家族が当たり前だった頃は、祖母、母、そして娘、他にも叔母や従姉妹など、親族の経験者や近所づきあいのある周りの家の経験者から様々な情報をもらい、そうした中で子育てを始めることができたのでしょうが、核家族化、そして単身生活から結婚し、廻りに経験者がいない状態での妊娠・出産。医師や助産師からだけではなく、同じ妊婦や出産経験者からの経験に基づいた情報や助言を得ることは単なる情報や知識というだけにとどまらず、安心できたり過剰に心配してしまわずに済んだりなど、精神的にとても大きな価値があると思います。
そんなわけで、この本のベースとなったOKwaveでのQ&Aサイトでのやり取りは現代版の新しいカタチの情報共有の仕組みとして意味があると思います。
自分が新生児を経験していてももちろん覚えていないですし、大人や成長した子供とは違う様々な状況がおなかの中にいる状態や新生児には訪れます。そういうときに、経験者に質問し、答えをもらうことで安心したい。
「聞けないことの、答えがある」と本書の帯にありますが、知人同士でもない人同士がこうした非常にプライベートな悩みや質問に答えることができるQ&Aサイトの価値は大きいと思います。
そしてそうした中からまとめられた本書も、単なる育児書とは別の価値を持つ一冊だと思います。