算数・数学が得意になる本

2個のサイコロがあるとして、その目を足した値が偶数になる可能性を考えてみる。
起こりうる目の和は、2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12の11通りがある。
でも、だからといってこの中の偶数は2, 4, 6, 8, 10, 12の6個だから確率は6/11である、というのは間違い。
起こりうるすべてのパターンはサイコロAとサイコロBの2つの場合、6x6=36通りある。
(1,1) (1,2) (1,3) (1,4) (1,5) (1,6)
(2,1) (2,2) (2,3) (2,4) (2,5) (2,6)
(3,1) (3,2) (3,3) (3,4) (3,5) (3,6)
(4,1) (4,2) (4,3) (4,4) (4,5) (4,6)
(5,1) (5,2) (5,3) (5,4) (5,5) (5,6)
(6,1) (6,2) (6,3) (6,4) (6,5) (6,6)
で、この内偶数となる組み合わせは赤くした18通りなので、結果として18/36=1/2。当たり前だが、へんに考えてしまうとはまってしまうかもしれない。
でも、ここで「少なくとも1つが3の目で、2つの目の合計が偶数」となる確率は(1,3) (3,3) (3,1) (3,6) (6,3)の5つなので5/36であるのに対し、「少なくとも1つが3の目で、2つの目の合計が奇数」となる確率は(2,3) (3,2) (3,4) (4,3) (3,6) (6,3)の6つなので6/36となる。つまり、「すくなくとも1つが3の目」という条件が「2つの目の合計が偶数/奇数」という条件に対して影響を与えているために結果として異なる確率が生じたといえる。
よって、事象はお互いに独立していない限り、AかつBである確率はAの確率とBの確率の積を求めてはいけない。