仮想化はあたりまえに、クラウドは好き勝手に

VMworld 2009が終わっていますが、どうもいまいち盛り上がりにかけていた気が。もちろん、仮想化はまだまだ注目技術で市場も成長を続けていますので、注目度は高いですし、多くの企業が仮想化市場に参入し続けている状況はまだ当面続きそうではあるのですが、やはりvSphere4はすでにリリースされており、Hyper-V2.0はリリース目前と、状況に原因があるのかもしれません。vCenter Product Familyとして、AppSpeedやChargebackなどのvSphere4発表時に発表されていた拡張オプション製品や、SRMやLifecycle Managerなどの製品のvSphere4対応も発表されましたが、あまり目玉となるまでにはなりませんでした。

4日間に渡って行なわれた今年のVMworld 2009は、スポンサー200社、セッション数300以上で、来場者数も1万2500人以上を記録したという。プレス発表も、統合管理を実現する「VMware vCenter」の詳細、販売拡大に向けたインテルとの提携、デスクトップ仮想化を実現する「VMware View」のデル製品へのバンドル、仮想化導入を容易に行なう新サービス「VMware Go」など、多岐に渡っている。

http://ascii.jp/elem/000/000/458/458881/

次に紹介したのは、クラウドコンピューティングを実現するvCloudイニシアチブの取り組み状況。vCloud対応環境に対しては、VMware Virtualizedとして認証。また、新たな取り組みとしてvCloud Expressも発表された。
vCloud Expressは、サービスプロバイダー向けに同社が提供するCompute as a Serviceの基盤。基調講演では、Terremark社が提供するvCloud Expressをデモを交えて説明。簡単なステップで、手軽にコンピュータリソースが使える様子が紹介された。
また、クラウド環境での相互運用性を実現するためのvCloud APIも発表。標準化団体のDMTF(Distributed Management Task Force)にも提出するなど、オープンな取り組みであると強調した。

http://enterprise.watch.impress.co.jp/docs/news/20090902_312426.html

ただ、個人的にはあまりにもクラウドにフォーカスされすぎていたことも原因なのではないかと思ったりしています。クラウド的なサービスはすでにそれこそ無数にありますし、Microsoftまでもが参入するなど、大きな市場が生み出される可能性はあります。しかし、クラウドは仮想化ほど幅広い業種、大企業から中小企業にまで受け入れられるほどの「あたりまえ」の存在にはならないのではないでしょうか。大企業はクラウドの信頼性や管理性をまだ疑問視していますし、逆に中小企業はクラウドを必要とするほどのインフラはかかえていなかったりします。特定の業種やユーザには受け入れられ、仮想化などとも相まってそれなりの市場規模にはなるかもしれませんが、クラウドそのものにバリエーションがありすぎるだけに、なにかクラウドというもの自体がぼやけてしまい、結果としてよく分からなかったり、自分には関係のない話だと思ってしまっているユーザが多いのではないかと思います。
仮想化は技術ですが、クラウドはサービスの一種のようなものなのですから、まぁ地道な取り組みが必要になっていくでしょうね。クラウドってアウトソーシングやオンラインサービスの利用と何が違うわけ?なんてね。