ストレージ・バックアップの次のトレンドはデデューブとリアルタイムバックアップかな(1)


EMC vs. NetAppの買収合戦で盛り上がったDataDomainはデデューブ(重複排除)機能を持ったアプライアンスベンダーですが、その他、ハードウェアベンダーやソフトウェアベンダー各社が最近は「重複排除」というキーワードを引っ提げた製品の発表を続々と行っています。たとえばSymantec

シマンテックは14日、バックアップソフトウェア「NetBackup」「Backup Exec」、アーカイブアプライアンス「Enterprise Vault」などに、重複排除機能を搭載すると発表した。
重複排除機能とは、データをファイルよりも小さい単位に分解し、その重複部分を排除することで、データの使用領域を抑える機能。文書ファイルなど、特定のファイルでは高い削減率を誇るため、バックアップ製品やストレージ製品の新機能として注目を集めている。
シマンテックの重複排除機能は、OpenStorage APIという、他社製の重複排除機能を持つストレージを統合できる点が特徴。OpenStorage APIを利用することで、データドメイン(EMCが買収)、Quantum、ファルコンストア、EMCなどのストレージを統合管理できるという。

http://www.sbbit.jp/news/12276/
ソフトウェア的な重複排除とハードウェアアプライアンスファームウェア的な機能として持つ重複排除機能をどのように統合管理してくるのかが興味深いところではありますが、同時にどれだけ有効な重複排除性能を発揮することのなるのか、注目ではあります。
重複排除技術が高い価値を発揮する状況はやはりネットワークストレージとバックアップの2つでしょう。
ネットワークストレージについては、やはりストレージコストを少しでも削減したいとする顧客のニーズと他社に対する差別化要素を持ちたいとするベンダー側の思惑が合致した結果、最近注目されている技術です。次第に一般化しつつあるシンプロビジョニング機能によって、ストレージ容量を仮想的に物理的な制約を超えて提供することは出来るようになってきていますが、それだけでは本当の意味でのストレージ使用容量の削減はできません。かといって、たとえばファイルサーバであれば一定の割合で同じファイルが複数保管されることになってしまうことは事実上避けられません。単純なファイルレベルのデデューブから、ブロックレベルのデデューブまで、単にデデューブといっても色々なパターンがありますが、ユーザに何らかの対応を求めることなくストレージ容量の削減を実現するデデューブはエンタープライズ用途のストレージには今後必須となる機能の1つかもしれません。
バックアップにおけるデデューブはストレージにおけるデデューブの発展版とでもいえるのかもしれません。最近はバックアップ先をストレージ上のファイルシステムに仮想テープのようなかたちで保管するやり方も増えてきていますし、どうやっても増大し続けるバックアップデータに対抗する手段として、デデューブ機能は必要な要素です。そしてなんといってもバックアップ時間を最小化するためにも、デデューブの価値はあると思います。
さて、長くなってしまったのでリアルタイムバックアップについはまた次回(^_^;)。