照明設計

家づくりにおいて建て主として注意すべき点の1つが照明だと思います。家の間取りを考える上で部屋の配置やキッチン・バス・トイレなどといった設備に拘る人はとても多いと思いますが、それらの設計にひたすら時間をかけた後にやってくる照明設計にも同じだけの拘りを持って取り組んでいる人は意外と少ないのではないでしょうか。
そもそも、平面図だけで照明を考えるから難しいのではないかと思います。家は床の上に立ったり、座ったりして過ごす空間ですが、設計図上では上から見下ろしたかたちでプランを検討しています。この視点から照明を考えると、ついつい「光が行き渡るようにする」という考え方で照明を考えてしまい、過剰な照明になったり、実際に暮らしてみて照明をどう感じるのかという視点ではない配置をしてしまいそうです。
天井の高さや、どこに家具を配置して生活するのかなどまでを考えて設計段階から照明を配置することができればいいのですが、なかなか難しい。生活スタイルまでを考え抜いて机の配置などまでを踏まえた照明設計は家全体に調和をもたらしますが、同時にそれは生活スタイルの固定が求められます。すでに子供が独立したような世帯ならいざ知らず、私たちの場合は今後、子供の成長に合わせて生活スタイルも大きく変化していきそうですのでそうした対応はできません。…ということで、私たちはダウンライト照明をベースにしつつ、柔軟に調整したい部分はライティングダクトによって自由に照明器具を取り付けられるプランとすることにしてみました。
そもそも照明器具に何を使うか。私は奥さんに無理を言ってシーリングライトは使わずにダウンライトとライティングダクトだけでの照明プランにさせて貰いました。今後電球型の蛍光灯を使うことはあるかもしれませんが、基本的には電球の照明をベースにしていきたいと考えています。もちろん、電球の生産中止なども予定されていますので、今後はLED照明の使用もありそうです。ビジネスオフィスでは蛍光灯だと思いますが、安らぐための家は電球だと思いますがどうなんでしょうか?また、使用可能時間についても蛍光灯には大きく劣るとされている電球ですが、付けたり消したりすることが多い家庭内での使用ではどちらの方がいいのでしょうか?フィラメントが発光するシンプルな作りの電球に対して、蛍光灯はインバーターを必要としたり水銀を用いていたりするなどと作りが複雑です。CO2削減等とも言われますが、トータルで考えてどちらが環境負荷が小さいのかは難しい比較なのではないかとも思っています。
照明は明るくすべき空間は明るくするために必要ですが、同時に陰影を作り出すことも必要なのではないかと思います。まったく有名デザイナーの照明器具などに興味がない私なのですが、拘りは持った照明設計はしたつもりでいます。さて、実際に住んでみてどう感じるかはまた半年後に書いてみたいと思います。