IBMはサーバ事業をどうしたいのか?

レノボ・ジャパンは10月29日、同社としては初のサーバ製品「ThinkServer」5機種を発表し、エンタープライズ市場に参入した。IBMからOEMライセンスを受けて製造するもので、中小規模企業をターゲットに、パートナーを介して販売を開始する。

http://www.atmarkit.co.jp/news/200810/29/lenovo.html
IBMからThinkPadなどのPC事業を譲り受けたLenovoが、PCに続いてIAサーバ"ThinkServer"に乗り出しました。今回はIBMから事業を買収したのではなく、あくまでもIBMからライセンスを受けて精算するというかたちになっていますが、見た目や仕様は完全にIBMですし、サポートはIBMが提供します。
現状発表されているモデルはエントリーといえるタワー型、および1U/2Uのラックマウント型の2CPUソケットまでに限定されていますが、今後はさらにラインナップを増強してより本格的にエンタープライズ製品にフォーカスしていくのか、それともあくまでSMB向けのサーバに限定して市場の切り崩しをねらうのか注目していきたいと思います。
とはいえ、Lenovoの今後の動きも気になるところではありますが、やはりそれ以上に気になるのはIBMの今後の動き。IBMはソリューションやソフトウェアに比重を移しつつあり、汎用機・UNIXサーバなどのシリーズは維持していますが、IAサーバの位置づけは少々微妙です。IAサーバ専業であるDELLや、IBMと同じくUNIXサーバなどもラインナップにそろえつつもIAサーバをサーバ事業の中核に位置付けているHPに対して、IBMのIAサーバは今後どうしていこうとしているのでしょうか。
今回Lenovoがサーバ事業を開始したことによって、DELLやHPなどの競合ベンダーもそれなりの影響はあるでしょうが、それ以上にIBMのエントリーモデルに対する影響は大きいでしょう。同じ製品がより安く買えるのであれば、多くのユーザがLenovoサーバにスイッチしたとしても不思議ではありません。色々なオプションや、管理ツール面の差はあるかもしれませんが、そもそもIAサーバは標準化された仕様として最低限の機能(RAIDやモジュールの冗長化など)さえ満たしていればどのベンダーを選択しても大差ありません。
可能性は低いですが、もしかしたら数年後にはIBMのサーバ製品ラインナップからIAサーバのエントリーモデルは消えてしまっているかもしれませんね。そもそもこのURL…(^_^;)
http://www-06.ibm.com/jp/pc/thinkserver/index.shtml