書評:『ヒトクイマジカル〜殺戮奇術の匂宮兄弟』西尾維新/講談社ノベルス

あー、結局ノベルズにずるずると…。

ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹 (講談社ノベルス)

ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹 (講談社ノベルス)

本作はどちらかというとミステリーの枠を飛び越えた展開。なんといっても殺されまくるはオチは明確に示されないし…。が、だからといって面白くないわけではなく、戯言シリーズとして重要な局面が描かれている作品となっている。

「…具体的に、あなたは何の研究をしているのですか?木賀峰助教授」
「死なない研究−ですよ」
永遠に生き続ける少女、円朽葉をめぐる奇怪極まりない研究のモニターに誘われた"戯言遣い"こと「ぼく」は、骨董アパートの住人・紫木一姫と春日井春日とともに京都北部に位置する診断所跡を訪れる−が、そこに待ち受けていたのは壮絶な「運命」そのものだった!
"一人で二人の匂宮兄弟"−"殺し名"第一位の「匂宮」が満を持して登場する、これぞ白熱の新青春エンタ。

んー、メフィスト賞つながりであっても森博嗣とはまったくちがう世界観を西尾維新は展開している(当たり前だけど)。登場人物たちがぶっとんでいるし、ストーリーも次第とぶっ飛び始めている。戯言シリーズは残り3冊だが、作品としては残り1作「ネコソギラジカル」のみ。どんな展開で、どんな結末を迎えるのか、とても楽しみなのですが、うーん、このまま突き進むのもどうかと思うので、一息入れることにします。