書評:『のはなし』伊集院光/宝島社

この本は、お風呂で30%、トイレで20%、布団の中で30%、その他20%というかんじで読んだ。通勤本にするには、ちょっと吹き出してしまいそうで怖かったというのもあるが、そうやって読む本だ(と決めつけてみる)。

のはなし

のはなし

id:ozat備忘録をきっかけとして購入した本書だが、前々から気にはなっていたのでいい後押しといったかんじ。芸能人本は安いという通説?どおり、本書も\1200円也。十分お買い得だ。
tu-kaメールマガジン用にかかれた750篇ほどの原稿から、80篇を抜き出して1冊にまとめたのが本書だとのことなので、ぜひ第2弾もお願いしたい。時事ネタはちょっと厳しいかもしれないが、あと1冊分ぐらいなら十分書籍化に耐えられるものも残っているはずだから。
最近はラジオも聞いていないので、クイズ番組の解答席に座っているときぐらいしか伊集院光の声を聞かないのだけれども、勉強はできなくても頭の良いタイプだと思う。本書は伊集院光のぶっちゃけ話が満載なのだが、ただの自分の話として終わってしまわず、「あー、わかる」だったり、「そうそう、そうだよね」と読者が共感できる話を数百文字程度にまとめられる才能は誰もが持っている訳ではない。

  • 「あそこが痒い」の話

二年ぐらい前だろうか、おちんちんが急に痒くなって困ったことがある。この書き出し、タレントがしれっと書くような話じゃない。まして、初っぱなから書く話でもないだろう。しかしこの本を、いま偶然に取り、買おうか買うまいか迷っているあなたが「こんな恥ずかしい話を立ち読みするのはちょいと恥ずかしい」とばかりに購入してくれればこれ幸い、続けることにする。

と始まる本書。あいうえおかきくけこ・・・と50音順にタイトル付けされた話が並べられているのだが、さすが三遊亭楽太郎の弟子。ちゃんと書籍としてまとめられてもちゃんと頭にとっかかりが用意され、ちゃんと最後に落ちがついているところがよい。

書き始めた時には思いもよらなかった書籍化だが、書店に並んだ姿を見たら思わず涙を流すと思う。うんこをもらすと思う。万引きはしないと思う。

うんこを漏らしたかどうか、ぜひ伊集院光には次の作品で明らかにしてほしいところだ。