ITは世界を変える?

島健太郎のBlog"Kenn's Clairvoyance"の投稿「ニッポンIT業界絶望論」が多くのはてブを集めている様だ。
http://japan.cnet.com/blog/kenn/2007/11/09/entry_25001425/

日本のIT業界は救いようがない。絶望的としか言いようがない。
IT業界不人気なんて、この業界に重くのしかかる決して晴れることのない暗雲の氷山の一角に過ぎない。はてなの匿名ダイアリーにもどうせ理系出身者なんていらねえんだよ。なんて書かれていたけど、これが現実なのだよ、学生諸君。

きっとIT業界の多くの人が漠然と、日本のIT業界についてそうした思いをもっていたのだろう。このはてブ数はそれを暗に物語っている。

受託開発の世界のどこにイノベーションがあるのだろう?

別に受託開発が悪いとは思わないが、ここまで何でもかんでも受託開発がメインの会社が多いのはどうかと思う。ターゲットとする市場のサイズはともかく、一定の「市場」をターゲットとしたソフトウェアやサービスを開発するのであればともかく、特定の顧客、特定のユーザのみを対象として作られるソフトウェアはたしかに残念ながらイノベーションは起こせない。

アメリカなら、ソフトウェアの世界で本来の意味でモノ作りに携われる仕事がたくさんある。グーグルとかマイクロソフトとか、メジャーどころを足し上げていくだけでも10万人以上の雇用吸収力があるから、ごく平凡なスキルのプログラマでも大企業でそういった仕事に就く機会がある。それなりにいい給料で、ステータスもあって、定時に帰るという満足な生活を営むことができる。そういう意味では、外国人労働者との競争とかレイオフみたいな要素もあるけど、アメリカ人にとってのソフトウェアエンジニアという職業は日本に比べたらずいぶん楽できているのは間違いない。

私は別にMicrosoftGoogleばかりがいいとはいわない。日本にも多くの、イノベーションを生み出す可能性を持った会社はある。ただ、英語の壁もきっとあるのだろうが日本ではその入り口は小さいことは確かだ。
現状がそうだとしても、ただ絶望していては前に進まない。日本が「だめ」でアメリカが「よい」とも限らないとは思う。しかし同時にイノベーションを生み出すことと、日々生活のために働いていくことを両立することが難しいことも現実だ。
できることは「ただ流される」ことだけにはならないよう、常に意識しておくことぐらいだろうか。
悩ましいですね。