CPU

Intel vs AMDのIAサーバCPU戦争?が今年も続くでしょうが、ユーザにとってはIntel1社の独占が発生している状態よりも望ましい「競争による進歩」がもたらされているのでいいことではあります。

インテルにとっても、互換性を維持し続けることに限界が見えていたのだろう。同社は64ビットへの移行に際して互換性をあきらめるという決断を下し、最新の設計技法に基づいて新たな命令セットの設計に取り組んだ。これが、ヒューレット・パッカードとの共同開発で実現したEPICアーキテクチャであり、後にIA64と呼ばれることになる。

http://www.computerworld.jp/news/hw/55694.html
結局、IA64はRISC市場を切り崩す役割は果たすことができていますが、当初の望みのようにx86環境の64bit化では主役になれず、IntelAMD64互換のEM64T(Intel64Architecture)をXeonに搭載する苦渋の選択をさせられています。そういう意味で、x86アーキテクチャにおける64bit化でAMDに一本とられたことがIntel最大の誤算といえるでしょう。

AMDは2006年8月、Opteronのマルチコア化のロードマップを発表した。Opteronでは2005年4月にデュアルコア版が投入されているが、2007年投入予定のクアッドコア版では、デュアルコア版と同じ熱設計電力を維持されるという。一方、インテルは9月に開催されたIDFで、Xeonクアッドコア版を2006年内に投入することを公表した。そこで同社がとったアプローチは、デュアルコアのダイを2つ、1つのパッケージ内に封入することでクアッドコア版を実現するというものだ。この手法では、ダイの製造プロセスでデュアルコアクアッドコアを作り分ける必要がないため、製造面ではメリットがある。逆に欠点は、同じものを2個押し込むわけだから、当然消費電力も発熱量もきっちり2倍になると予想される点だ。

対してCPUのマルチコア化においてはIntelAMDに先行しています。アーキテクチャ的にキャッシュを共有しているなどの問題はありますが、パフォーマンス面ではデュアルコア、そしてクアッドコアはたしかに目に見える形でのパフォーマンスの向上という結果に結びついており、AMDに対するIntelの巻き返しはマルチコアによって成し遂げられています。
単純なクロック戦争からコアやアーキテクチャにおける戦いへとCPUをめぐる競争は発展しているわけですが、数年後にはCPU競争のメインテーマがどんな課題となっているのか興味深いですね。