下っ端でも何かを成し遂げる方法 SIer編 ( Inspired by "Joel on Software" 31. Getting Things Done When You're Only a Grunt )

『Joel on Software』の第31章 [下っ端でも何かを成し遂げる方法]にインスパイアされて、チームを下から改善する戦略のSIer編を書いてみる。
なお、各戦略は"Joel on Software"のままにしておく。

  • 実行あるのみ

Software開発と比較してシステム導入屋さんでは影響力を与えることが難しい。各SEが取り組んでいる仕事がかなりバラバラだし、なんといっても他の人がやっている案件に首をつっこめるほどの余裕は誰にもない。
まぁそれでも戦略は変わらない。実行あるのみ、である。少なくとも自分が関わる案件で「改善」を実行していくしかない。

  • じわじわと広めていく

これまたシステム導入屋さんでは難しい。Software開発では、バグトラッキングシステムやソース管理を一度使い出してそのメリットを体験すればじわじわとその価値を理解していくこともできるだろうが、システム導入の現場ではお互いに影響を与えることが少ない。各案件ごとのドキュメント、各案件ごとのステータス、そして各案件ごとの「やり方」。はっきり言って個人依存しすぎている。
よって、システム導入屋さんの改善は「じわじわ」どころか全然広まっていかない場合が多い。まぁそれでも、ドキュメントのフォームだったり、MTGの進め方だったりといったちょっとしたことから改善をじわじわと広げていくしかないと思っている。

  • 優れた人間を作り出す

資料作りが丁寧だったり、慎重・確実に作業したりと、技術以外の面でも何かに優れた人間と一緒に仕事をすると非常にやりやすい。トラブルも少なくなるし、期待以上の仕事をしてくれることもある。自分に足りない部分を補ってもらえるし、なによりも一緒に仕事をするだけで非常にいい刺激になる。
こればっかりはかなり個人の資質に依存する問題だが、個人的には優れた人間とは積極的にコミュニケーションすることで相互に助け合いながら仕事をしていきたいと思っている。
今のところ私の周りには何人かの「優れた人」がいるので一緒に仕事をしていきたいと思っているけれども、おそらく彼らがいなくなれば私がここで仕事を続けることはないかもしれない。

  • 間抜けを無力化する

トラブルには仕方がないものと不要なものの2つがある。不要なトラブルを発生させられるのは非常に勘弁してもらいたい。
Softwareを開発しているのではないので直接自分の仕事を台無しにされるわけではないが、色々な影響が及ぼされるのはさけられない。
根本的な対処は下っ端には難しいので(^_^;)、トラブルの芽を早めに刈り取ってくれそうな人と一緒に仕事をしてもらうようにするのがいいと思う。

  • 邪魔をさける

「ちょっといいかな」ー全然良くない。
導入作業・検証・ドキュメント作成など、効率がいいときと悪いときでは全然生産性が異なる仕事は意外とSEにも多い。
そういう意味でも仕事環境は重要だ。孤独に仕事をしたいとは思わないが、いわゆるゾーンに入った状態で仕事ができる時間が必要。
メールソフトやメッセンジャーを立ち上げっぱなしにしてはいけないのはSoftware開発の現場でもシステム導入の現場でも一緒みたいだ。

  • かけがえのない存在になる

少なくとも自分が「実行できて」「じっくりと取り組めて」「優れた人で」「間抜けではない」存在にならないと上記の戦略はうまくいかない。
非常に厳しいが、そうなるよう目指すことが自分をもっとも成長させる方法だとは思う。

こんなところかな。同僚の皆さんは深読みしすぎないように(^_^;)。