IP-SAN (2) - IP-SAN? NAS?

IP-SANにはiSCSIなど色々あるように、NASにもCIFSやNFSなど色々あります。
サーバから同じようにネットワークストレージとして使用することができるために、どちらも同じような存在ではありますが、アクセスレイヤーがブロックレベルかファイルシステムレベルかという違いがあります。
一般的にブロックレベルのアクセスの方がファイルサイズやファイルシステムに依存しないために高速にアクセスが可能とされてはいますが、最近ではNetAppなどNASアプライアンスも登場してNASもそれなりに高速なアクセスができる製品もあります。
NASはサーバからネットワークファイルシステムでアクセスを受けます。ブロックレベルのアクセスと異なり、ファイルシステムで受け付けるためにファイルサイズなど次第でパフォーマンスが変化しますが、逆に最近ではストレージ側がファイルを認識できることのメリットを活かした製品が色々と出てきています(ブロックレベルの処理しかできないストレージはファイルシステム、さらにはファイルを認識しないストレージが一般的です)。データデデューブやシンプロビジョニング、スナップショットなどにおいてはファイルを把握していることのメリットが色々と活かすことができます。
以前では両者は同じネットワークストレージでも別のものとして扱われていたのですが、次第に両者がそれぞれのフィールドに機能を拡大することによって直接的な競合製品として認識されるようになりつつあります。
それぞれの製品に特徴はありますが、単なるネットワークストレージは格安製品が登場してきているためにエンタープライズ向けの製品を提供している各社とも高度なファームウェアとアプリケーション連携ソフトウェア、サービスなどを武器としてより熾烈な争いをしています。そして市場で一定のシェアを持つ各社は自社の製品を強化するとともに新興ベンダーを次々と買収しているため、少数のプレーヤーによる全面戦争の様相となっています。標準化されつくしているサーバに対して、まだストレージは特色を出しやすい製品です。
まだまだ今後数年で市場は大きく変化していくことになるでしょう。
次回は最終兵器扱い?されているFCoEについて書いてみたいと思います。