Xen on Hatena.

id:naoyaのHatena::Dialy::naoyaに「さくらインターネット移行記#5久々の移転作業」が掲載されています。しぶとく?自社製サーバフレームを使い続けながらも、用途や目的によってはサーバベンダー製の(主にDell製とSun Microsystems製のシングルソケット1Uサーバを使用されているみたいですね)安価な(でありながら、それなりの完成度のサーバを組み合わせて自分たちが使いやすいインフラ環境を作り上げている模様です。

旧サーバーからディスクドライブを外して新サーバーに接続、dd でパーティションごと先頭から末尾まで丸ごとコピーします。こうするとディスクの読み出しがシーケンシャルになるため、回転部品で出来ているハードディスクの性能を十分に出し切った状態でコピーを行うことができます。

http://d.hatena.ne.jp/naoya/20071120/1195552548
このあたりの発想は面白い。ddでまるまるrawコピー、と。ふむふむ。

最近はハードウェア側、ソフトウェア側共に仮想化の技術がすごい勢いで進歩していて、仮想化することによるオーバーヘッドはある程度無視できる程のレベルになってきています。最近 Xen を使いはじめて徐々にプロダクションでも使いはじめていますが、いまのところ Xen のオーバーヘッドが問題になったケースもありません。

CentOSUbuntuなど、メジャーどころのフリーディストリビューションXenを標準対応し始めたので、HatenaでもXenの本格使用が始まった模様です。面白いですね、仮想化はトレンドなところもありますが、VMwareXenが両立していることで、WindowsLinuxのように企業ユーザにも、Hatenaのようなネットベンチャーにも受け入れられています。特にCPUのマルチコア化は非常に仮想化と相性がよく(というか、仮想化以外になかなかマルチコアを有用に使えるソリューションがあまりない)、今後もハードウェアの進歩(=CPUのさらなるマルチコア化)にともない、仮想化はきっと一般的なIAサーバ技術になっていくのではないかと思います。

いまはてなのサーバーは古いものも併せるとおそらく 300 〜 400 台程度になります。さすがにこのぐらいの台数になると、サーバーの情報を整理するだけでもひと仕事です。どこにどのサーバーが入っていて、どういう用途で使われていて、どういうスペックになっていて、どの程度負荷がかかっているか。
ここ最近まではてなグループのキーワードでちまちま手作業でやってたのですが、あまりに面倒なので id:stanakaid:hideoki が中心になって社内向けウェブアプリケーションを自作しました。

自分たちでウェブアプリケーションを作って対処してしまおうという考え方がさすが。一般の管理ツールはたしかに大多数への汎用性を必要とするだけにカスタマイズ性が低いというか、微妙にかゆいところに手が届かない感があるので、あくまでも1から作るのではなく、自分たちが必要とする「痒いところに手を届かせる孫の手のような」かたちで簡単にウェブアプリケーションを作ってしまうというのはいい考え方だと思います。

今はまだただの Web + DB アプリケーションですが、いずれ負荷状況に応じて Xen のノードを動的に移動させたり、監視システムと連動させてそのあたりも手間要らずにする...なんてことを考えています。

APIやコマンドをバックエンドでつつけばいくらでも作り込める訳で、このあたりがオープンソースな製品を「使いこなせる」強みなのでしょうね。
分業化が進んでいるIT業界ですが、アプリケーションからハードウェアまでの幅広いレイヤーに目を向け続けていきたいものです。