iSCSIってどうよ。

少々文章が整理されていませんがざっと。

基幹系システムに接続するストレージとして、堅牢だが高価なFC-SAN(Fibre Channel-Storage Area Network)ではなく、安価で導入が容易なiSCSI(Internet Small Computer System Interface)ベースのSANストレージを選択する企業が確実に増えている。もっともiSCSI-SANは今すぐFC-SANに取って代わるものではないが、その導入コストの低さは、小・中規模企業にとっては大きな魅力となっている。本パートでは、FC-SANとiSCSIというストレージ技術の違いや、iSCSIを導入する際にITマネジャーが気をつけるべきポイントなどを明らかにしたい。

http://www.computerworld.jp/news/hw/68229.html
まぁ確かにiSCSIという選択肢がでてきたことで、iSCSIはそれなりにシェアを確保しつつあることは体感的にもわかる。私が携わった案件でも、それなりの大規模環境でVMware ESX ServerのバックエンドストレージとしてiSCSI接続を選択した構成も何件かある。
まず、初期コストとして大きく違う点は以下の2点だろう。

  1. HBAが不要 Gigabit NICで可能 ※ただしパフォーマンスを本当に求めるのであればハードウェアイニシエーターの方がよいだろう
  2. FC Switchが不要

確かにどちらも安いものではないので、これらが不要になるだけで数百万円のコスト削減にはなるかもしれない。また、iSCSIの売り文句のして常套句になっているのが「これまでスキルやノウハウを蓄積したEthernetスイッチを使用することが出来る」というもの。まぁたしかに新しくFC-SANについてのスキルを身に着けるコストを削減できるという点は、隠れたコスト削減としては無視できない額なのかもしれない。
そして遠隔でのデータやり取り。FC-SANはSCSIプロトコルなので、遠隔のストレージ間でデータを同期させるような構成が必要となる場合は、FC-IP変換装置などを用いるか、ダークファイバーなどを使用してそのままSCSIデータを転送する必要がある。対して、iSCSIであればデータはIPに対応したフレーム形式となっているので、そのままEthernetにデータを流すことが出来る。

現在iSCSIを選択するユーザの多くはSMBであり、ある程度のパフォーマンスを犠牲にしてでもコストの削減を大きな課題としているので、Ethernet NICを使用したiSCSIを構成する場合が多い。IntelNICなどはTCPオフロードエンジンを搭載しているものも次第に安価になってきており、そういう意味ではiSCSI用のハードウェアイニシエーターの価格もFC用のHBAに対してより価格を低下させるバッファがあると考えてもよいかもしれない。

iSCSIが主流になるのかどうかについては、現時点でまだあまり明確ではないが、私は一定のシェアは確保するものの主流にはならないのではないかと考えている。ソフトウェアイニシエーターを使用してiSCSIを使用するパターンが多いことを考えると、やはりファームウェアレベルでデバイスを認識するHBA(やiSCSIハードウェアイニシエーター)とデバイスドライバがロードされてやっとデバイスを認識できるソフトウェアイニシエーターでは安定度に大きな差がある。パフォーマンスに対してどれだけの価格面でのメリットを打ち出すことが出来るかによって今後のシェアは大きく変わりそうな気もするが、やはりFC-SANには高いだけのメリットはあると思う。