完璧な選挙制度はないといわれているが、確かにそうだと思う。
完璧な選挙があるとしたら、全ての国民が参加する直接投票しかなくなるだろうが、費用対効果を考えるとそれも現実解ではない。
ところで、先の衆議院議員総選挙は「小選挙区比例代表並立制」という制度だったが、その投票結果を見てみるとなかなか興味深い。
まずは比例。
衆院党派別得票数(比例代表)
議席 得票数
自民 77 2389万
民主 61 2104万
公明 23 899万
共産 9 492万
社民 6 372万
国民 2 118万
日本 1 164万
大地 1 43万
合計 180 6781万
与党 100 3488万(51%)
野党 80 3294万(49%)
合計 180 6781万
この結果から見ると、比例で配分される議席数は与野党ほぼ同数になってもいい気がするが、実際には政党単位での配分になるのでそうはならない。
また、比例もブロック制なので地域ごとに分割されていることも少なからず影響している。
次に小選挙区。
衆院党派別得票数(選挙区)
議席 得票数
自民 219 3252万
民主 52 2480万
公明 8 98万
共産 0 494万
社民 1 100万
国民 2 43万
日本 0 14万
大地 0
諸派 0 2万
無所属 18 324万
合計 300 6807万
与党 227 3350万(49%)
野党 55 3133万(46%)
無所属 18 324万( 5%)
合計 300 6807万
こっちは小選挙区制度なので、1つの選挙区で最多得票を得た候補者1人しか選出されないので、余計に死に票が多い。僅差であっても1位だけが当選、あとは落選する。ちょっとした投票バランスの変化が、全体には大きな変化をもたらす。
こう観てみると、議席数ほど小泉自民党が支持されたわけではないのではないか。
もちろん、結果にどうこう言うつもりはないが、今回の結果を議席数だけで判断しない方がいいとは思う。