書評:『ロスト・シンボル』ダン・ブラウン/角川書店

『天使と悪魔』、『ダ・ヴィンチ・コード』に続く、ラングドンシリーズ第3弾『ロスト・シンボル』。出張のお供にちょうどよいタイミングで発売されたので、新幹線の中で読み、その後はハード本ということでちょっと重かったものの通勤本として持ち歩くことに(^_^;)。

ロスト・シンボル 上

ロスト・シンボル 上

ロスト・シンボル 下

ロスト・シンボル 下

『天使と悪魔』ではヴァチカン、『ダ・ヴィンチ・コード』では「モナリザ」などのダ・ヴィンチに焦点を当てて主にキリスト教における秘密をテーマにしてきた本シリーズが今回扱うテーマはフリーメイソン
フリーメイソンについてのWikipediaの解説はこちらですが、本書のオビに記載されている簡単な解説はこんなかんじ。

ヨーロッパの石工の組合に端を発しており、一説には1703年に設立されたと言われている。あらゆる人種、信仰の人間に対して開かれており、いかなる点でも差別しない超俗的な友愛団体。ただその儀式は堅く秘密に閉ざされている。
アメリカ建国の父祖であるジョージ・ワシントン初代大統領やベンジャミン・フランクリンらはフリーメイソンのメンバーであり、首都となるワシントンDCを設計する際にはその儀式に則ったとされており、連邦議会議事堂、ホワイトハウス、ワシントン記念塔なども厳密に定められた手順で建築された。またアメリカの1ドル札には"ピラミッドの目"というフリーメイソンの象徴が刷られている。
歴代アメリカ大統領の3分の1がメンバーであり、日本でも鳩山一郎元首相ほか、要人が名を連ねている。

ワシントンを舞台に、わずか1日の出来事をストーリーとしているのだけれども、スピード感はさすが。ちょっと残念なのは最終局面の種明かしが緩いというか想定内だったということだけれども、まぁこれが王道といえば王道かな。
もしかしたらまた「愛蔵版」みたいなかたちで、写真や資料が充実した本が後日別途発売されるのかもしれないけれども、できれば本書ももうちょっと写真や資料を充実させてくれると嬉しかったかなと思ってみたり。200-300円高くてもいいので、ワシントンの地図や、登場する建物の写真と地図などがあれば、きっともっと世界観に浸れたんじゃないかなぁと、ね。