Dell AIM + VMware ESX - Networking

ちょっと12月ドタバタとしていて、エントリーがまったく書けていませんでした…。このまま何も書かずに年を越してしまうのもなんなのですが、じっくりとエントリーを書いている余裕もあまりないm(_ _)mということで、世の中的にはあまり知られていないDellエンタープライズ向けソフトウェア製品、Dell Advanced Infrastructure Manager (AIM)のご紹介を軽くさせて頂ければと思います…。

AIMはインフラ環境を統合管理するソフトウェア製品ですが、VMware vSphereやHyper-Vなどと組み合わせることによって仮想化環境についても統合的に管理することができるようになります。また、管理サーバとなるAIM Controllerは仮想アプライアンスとしても提供されていますので、比較的容易にVMware vSphere上にAIM環境を構築することもできます。

AIMが行うネットワークに対する管理は、物理的なスイッチに対しても仮想スイッチに対しても基本的には同じです。AIMで管理されているOSイメージ(Personaと呼ばれています)は、物理的な要素とは切り離されていますので、Server1で起動していたPersonaを次回起動時にはServer2で起動させることができます。また、ServerをPoolとして扱い、Pool内で空いているServerのいずれかで起動するようにさせてしまうことも可能です*1。この際、Personaが起動するServerが変化することに対して、Networkの構成が付随してこないと困ることになります。たとえば、VLAN10に接続する構成を持つPersona Aと、VLAN20に接続する構成を持つPersona Bがあるとして、あるサーバにおいてPersona Aが起動する際には接続先のネットワークはVLAN10に、Persona Bが起動する際にはVLAN20に自動的に構成されていないと、いくらPersonaの起動先が物理Serverに縛られないといっても使い物にならないわけです。このように、Personaが必要とするNetworkを、Personaの起動するServerの接続先に合わせて自動的に構成する仕組みが連動することで、AIMは「イメージと物理的な要素との切り離し」を実現しています。

さて、今回のエントリーはAIMとESXの組み合わせについてのご紹介ですので、その部分に絞り込んで。

AIMによってESXホストを管理するためには、ESXホストをAIMに対してVMRack(AIMの管理対象として登録するHypervisorの名称)として登録する必要があります。

VMRack登録はウィザード形式で行うことができます。AIMがサポートするHypervisorはVMware vSphereだけでなく、Hyper-VXenなどにも対応しています。

ウィザードには"Automatically configure VMware standard switches."という項目があり、AIMによる仮想スイッチの管理を有効化することができます*2

AIMから仮想スイッチを管理するために、ESXホストをVMRackとして登録する際にはvCenterサーバについての情報を合わせて構成します。

AIMはIPMIを通じてサーバの電源ステータスを管理するため、VMRackとして登録したESXホストについてはAIMの管理画面から電源操作を行うことができます。Local Disk Booted型ではないVMRackであれば、他のPersonaと同様に起動先のサーバを選択したり紐付けをプール化したりすることも可能です。

AIMはVMRackとして管理しているESXホストに対して、自動的に紐づけられたPersonaに必要となる仮想スイッチとポートグループ(VLAN)を構成します。

この構成情報はAIMから管理しているため、AIM Controller側からもステータスを把握することができます。

AIM側ではNICをChannelとして紐づけることで物理的な差異を吸収するとともに、冗長化を構成しています。そのため、AIM側で構成を変更すればもちろん仮想スイッチの構成が自動的に変更されます。仮想スイッチの接続先となっている物理スイッチ側の構成も連動して変更されますので、動的なインフラとして使用することが可能です。

AIM側でChannelとして管理されているNICのグルーピングが、ESX側の仮想スイッチでは紐づけられるvmnicとして構成されます。

物理サーバ、仮想化環境、そしてシステムイメージの管理をAIMに一元化することにより、システム環境は物理的な縛りのないリソースへと移行することができます。ネットワークブートするシステムイメージは事前に構成を済ませておくことにより、必要に応じて物理サーバ上でネイティブにも、仮想化環境上で仮想マシンとしても稼働させることが可能です。

今回のエントリーでは詳しく紹介しませんでしたが、AIMの機能をvSphere Clientを通じて管理するためのResource Managerと呼ばれるプラグインも提供されています。Resource Managerを使用することにより、AIMによるESXと仮想マシンの管理をより慣れたかたちで行って頂くことができます。

これらを組み合わせて使用することにより、AIMは仮想化によってもたらされた動的なリソースとしてのITインフラを物理環境にまで拡張することができます。

*1:サーバモデル、ハードウェア構成の違いなどを吸収する仕組みについては、またいつか別のエントリーで書ければと…。

*2:残念ながら現時点のAIMではvSphereとの連携において、標準仮想スイッチ(vSS)はサポートしていますが分散仮想スイッチ(vDS)はまだサポートできていません。