vSphere 5.0 - Auto Deploy

あー…忙しさに追われて、1ヶ月以上エントリーに間隔が空いてしまいました。本当はvSphere 5.0 概要シリーズをリリース前に終えるつもりでいたのですが、終えるどころかStorageだけ書いてそこで止まってしまっています…(もし楽しみにして頂けていたとしたら、すみません)。アウトプットするのも大変なんですが、アウトプットしないのもいろんなモノを溜め込んでしまうのでなんとも悶々としてしまいます。

さて、今回は概要シリーズからちょっとはずれてAuto Deployについて絞り込んで短めのエントリーを書きたいと思います。

Auto Deploy機能のベースはPXEブートによるイメージの展開なので、そこには特に新しさはありませんが、ポイントはイメージとホストのプロファイル情報の管理を統合したことによってディスクレスサーバに対するパッチやモジュールの展開や、設定情報の修正などの「運用フェーズにおける変化」に対応できる仕組みとなっている点でしょう。もちろん、展開時だけでは運用は成り立ちませんので、VMwareは他にも様々な機能を用意することによって、Auto Deployを用いた展開を使用しても運用が成り立つようにしています。

具体的には、インストールファイルや修正パッチ、サードパーティ製を含めたモジュールの構成などをまとめたイメージプロファイル、個別ホストの設定情報を管理するホストプロファイル、ログファイルやコアダンプをリモートに出力する仕組み、そしてvCenter側で持っているホストに対する管理構成の4つの機能をひとつなぎとすることで仕組みがつくられています。

現時点のAuto DeployはvCenterの機能としては完全には統合されていないため、基本的にはPowerShellベースのコマンド操作により管理を行う必要があります。ま、コマンド操作もいいんですが、vSphere ClientからGUIで管理したり確認したりすることができるようになれば、よりこの機能を使用するユーザが増えるのではないかとは思っています。まぁこの機能を使おうとするようなユーザであれば、コマンドでの管理で問題はないのかもしれませんが…(^_^;)。

Auto Deployは、PXEブートによりDHCPリクエストとTFTPによるgPXEイメージのロードに続いて、httpリクエストが届けられるところから始まります。gPXEイメージはAuto Deployを構成するモジュールの1つとして提供されますが、DHCPサーバおよびTFTPサーバの機能については既存のものを使用することになります(vCenter Applianceを使用する場合は、TFTPサーバ機能なども組み込まれています)。

リクエストを受けたAuto Deployは、そのホストを登録するクラスタを判断し、使用するイメージプロファイルとホストプロファイルを選択します。初回ブート時はプロファイルを収集してきますが、2回目以降は自身にキャッシュした情報を使用します。

イメージプロファイルに基づいてロードされたホストに対して、ホストプロファイルを適用することでホストは個別情報を持ち、個別化されます。イメージプロファイルとしてロードするイメージにVIBを組み入れることが可能ですので、サードパーティ製のドライバやモジュールなどもまとめて展開することが可能です。また、ホストプロファイルはかなり詳細な構成についても含めることができるようになったため、たとえばiSCSIソフトウェアイニシエーター使用時におけるバインディングやJumbo Frameの構成、詳細設定で定義するような項目などについても問題なく適用することができます。

そして最後にvCenterサーバに対してホストを登録し、クラスタ関連の定義を反映させればAuto Deployを使用したホストの展開は完了となります。

イメージプロファイルもホストプロファイルもホストに対して直接設定することなく構成することが可能なため一元的な管理が可能となるメリットはありますが、その分Auto DeployおよびvCenterサーバに全てのホストのプロファイル情報がまとめられるため、これらの情報はしっかりと管理する必要があります。

PowerCLIのAuto Deploy関連コマンドそのものについても書こうかと思いましたが、それはまた追々m(_ _)m。
次回は中身が完全リニューアルされたVMware HAについてでも書きたいなとは思いますが、いつものことながらどうなることやら…。